盆地の夏は、ほとんど毎日、同じ時刻に壊れる。朝は明るい。昼は湿る。午後3時前後に空が決定を下す。雨は「降るかも」ではない。時間割だ。
スクーターの雨衣は、飾りではない。会議を川の向こうに入れるなら、帰りを計算する。洗濯は午前だ。子どもの迎えは、空を見る。気象署の短時間強雨は、ドラマではなく、地下道と低地の駐車場のための数字だ。
来たばかりの人は、これを天気だと思う。住んでいる人は、インフラだと思う。建物の庇、コンビニの軒、MRTの出口の向き。3時を知っている街は、3時に合わせて設計されている。
秋が来れば、この時計はゆるむ。9月はその境だ。まだ鳴る日と、鳴らない日がある。鳴る日は、まだ夏のルールで動く。
